2024.1.31
スキーシーズン到来!機能性抜群のスキーウェア
メンズファッション誌
「smart」元編集長
佐藤 誠二朗さん
メンズ雑誌「smart」をはじめ、これまで多数の編集・著作物を手掛けている佐藤さん。
2018年11月には「ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新」が発売。
こちらを本屋で見かけて読まれた方もいるのでは!?
そんな佐藤さんが当店の取り扱いアイテムをコラムで熱く語ってくれるコーナーです!
実はあまり知られていないブランドの歴史などもこれを見れば知ることができるかも!?
まるで天国のような現在のスキー場
スキーシーズンの到来です!
バブル期の爆発的なスキーブームの中で青春時代を過ごした筆者は、この時期になるとどうしても気持ちが浮き足立ってしまいます。
頭の中ではユーミンや広瀬香美、高野寛、ズー、ゴーバンズなどによる、いにしえのスキーキャンペーンソングが流れはじめ、止まらなくなってしまうほど。
なにしろあの頃、若者は猫も杓子もとにかくスキー・スキー・スキー!
日本中のあらゆるスキー場が大盛況で、特に人気の高かった苗場スキー場などは、週末のたびにびっくりするくらい大入り満員の状態になっていました。
だから、東京からスキー場に向かう関越自動車道の渋滞も激しく、“(苗場スキー場最寄りの)月夜野インターチェンジで一台降りると、(関越道東京側入口の)大泉インターチェンジで一台乗れる”というジョークがリアルに感じられるほどだったのです。
などという昔話ばかり書き連ねていると、本当におっさん扱いされてしまうのでこのへんにしておきますが、僕はバブル期のスキーブーム以降も、この時期になると友人や家族と連れ立って、よくスキーに行きました。
僕のすぐ下の世代あたりから、若者のウィンタースポーツのトレンドはスキーからスノボへと移りましたが、やはり冬になるとゲレンデは大混雑でした。
ところが今世紀に入った頃から、スキー・スノボ人口は一貫して減り始め、現在はインバウンドの外国人スキーヤーを含めても、ピーク時の5分の1とも、それ以下とも言われています。
なんとも寂しい話のように感じられるかもしれませんが、空前のスキーブーム、その後のスノボブーム最盛期を経て、現在もスキー場に通い続けている僕から言わせれば、むしろこれはありがたいこと。
なにしろかつては、スキー場はいつもギッチギチで、リフトに乗るのも昼ごはんを食べるのも、押すな押すなの満員電車状態でした。
ゲレンデは人で溢れ、ぶつからないように滑るだけで至難の業(それでテクニックを磨けるという話もありましたが)だったりしたのです。
その頃と比べると、適度な人口密度が保たれている現在のスキー場は天国です。
それに、スキー用のウェアや小物の機能性もデザイン性も格段に上がっているので、あの頃よりもずっと快適に、そしてずっとおしゃれにスキー&スノボを楽しむことができるのですから。
街着兼用派? ゲレンデ映え派?
そんなわけで今回は、今すぐにでもスキー場へ行きたくなるような、素敵なスキーウェア&パンツ、ゴーグル、そしてグローブを紹介したいと思います。
昨今のスキーウェアは、高いテクノロジーを誇る高機能素材を駆使し、スキーヤー・スノーボーダーたちに、相当な快適さと保温性を提供するものになっています。
せっかくのスキー・スノボなのに、ウェアが濡れてなかなか乾かず、体が冷えると気分が萎えてしまうもの。
しかし、進化した最新スキーウェアは、抜群の防水性により雪の中での快適さを約束するとともに、通気性の高さによって体温調節もしやすくなっています。
スキーパンツも、その進化は顕著なものがあります。
軽量かつ耐久性があり、動きやすさを考慮した立体裁断や、ゲレンデのコンディションに合わせて温度調整しやすいベンチレーション構造などが随所に施されているのが、現在のスキーパンツです。
よりどりみどり、さまざまなブランドのものが揃えられたZ-CRAFTのサイトから、僕は今の自分が本気で欲しいと思えるスキーウェア&パンツはどれかと考えてみました。
まず目についたのは、オークリーの「サブ テンプ RC ゴアテックス ジャケット」でした。
ゴアテックス素材を使った軽量インサレーションジャケットは、随所に立体裁断が施され動きやすく、ポケットが多くて使いやすそうです。
何より外見がシンプルで、街で着ていてもおかしくないのがポイント。今の時代、なるべくシンプルな装備で、気軽にスキーをするのがオシャレだと思うので、街からスキー場まで一貫して着られるウェアが重宝するのではないかと思います。
同様の観点からは、BILLABONGの「ADIV ワークジャケット」やDCシューズの「DEFY JACKET」なんかも良さそうです。
逆に、せっかくスキー場に出かけるのだから、ゲレンデだからこそ映える、ちょっと華々しい雰囲気のウェアが着たいという人は、クイックシルバーの「MISSION PRINTED NP JK」や「STEEZE JK」を選ぶと良さそうですね。
セパレート派? オーバーオール派?
スキーパンツで僕が重視する点は、まずは立体裁断がしっかり施されていて動きやすいこと。そして脱ぎ履きがしやすいことです。
そうした観点から、DCシューズの「23 DC SNOW COLOR BLOCK PT」、「コード パンツ」、「23 DC SNOW CARGO PT」、クイックシルバーの「ESTATE GAITER SHELL PT」などが気になります。
オークリーの「TC ガン 2.0 RC リブ」やDCシューズ「ドーチレビブ」などのオーバーオール型は、激しく動いてもずり落ちにくかったり、転倒した際に雪が入ってきにくかったりと利点がたくさんあるので、そうした要素を重視する人にはおすすめします。
でも僕は、少しでも体を動かすと体温が上がりやすい体質なので、スキーをしている最中もよくインナーを脱いだり着たりして調整します。
するとオーバーオール型だと着替えがしにくく、いつもセパレート型のパンツを選ぶようにしているというわけです。
デザイン的には、僕のようにトップスを街でも着られるシンプルなタイプにしている場合、パンツは少し派手目のものが良いのではないかと思います。
個人的に一つだけと選べと言われたら、クイックシルバー「PORTER GAITER PT」をセレクトしたいです。
こうして考えてみると、自分がスキーウェアやパンツを選ぶ際にもっとも気にしている点は、気軽さだということがわかりました。
実は、スキーやスノボのブームが去った後も、自分がスキーから離れずに楽しみ続けられている最大の理由は、常に気軽さを求めたからではないかと思います。
スキー&スノボに行った際、多くの場合は駐車した狭い車の中や、混雑した更衣室で着替えをしてからゲレンデに赴くことになりますが、意外とそこで手間取ることが多いもの。
そうした経験を重ねると、やがてスキーというスポーツ全体が面倒臭いもののように思えてしまい、足が遠のいてしまうのではないかと思うのです。
トップスは家から同じもののままで、パンツだけサッと履き替えれば準備万端! そんなシステムを自分で作ると面倒さが解消され、スキー場に足を向けやすくなるのではないかと思います。
スキー小物類も大きく進化
では最後に、小物類にも目を向けてみましょう。
まずはスキー、スノボに共通した必需品のゴーグルです。
最新のゴーグルは、視界確保のクオリティにおいて大幅な向上が見られます。曇り止めや抗・紫外線などの特殊なレンズ技術が、スキーヤー・そのーボーダーたちの視界を最適な状態に保ち、トレイルや斜面の情報をつかみやすくしてくれます。
もちろん密閉性も抜群なので、冷気や雪の侵入を防ぎ、特に吹雪いている中での滑走では手放せません。
Z-CRAFT上のラインナップはどれも甲乙つけがたく、選ぶのがなかなか大変ですが、またまた僕の個人的な好みを言うと、ヴォンジッパー「MACH VFS」にするか、オークリー「フライト デッキ L スノー ゴーグル」にするかで悩みます。
ですが、これまで使ってきたゴーグルはどちらかと言えば正統派なデザインのものが多かったので、今回はオークリー「フライト デッキ L スノー ゴーグル」に軍配。
戦闘機パイロットのヘルメットバイザーからヒントを得たと言うだけあって、アグレッシブな雰囲気漂うこちらのゴーグル。とてもかっこいいと思いませんか?
スキーグローブは保温性だけでなく、操作性の良さも重要。
最新のものは防寒性と柔軟性を組み合わせ、冷たい気温でも感覚的な操作が可能なものが多く揃っているようです。
基本的に、両手にストックを持つのでより細かい動きが求められるスキーヤーは5本指タイプ、滑走中は手に何も持たないものの、リフトから降りるたびにグローブを外してボードをブーツに装着しなければならなかったり、大きなボードを手で持って運ばければならなかったりするスノーボーダーは、脱着しやすく手のひら部分が頑丈で滑りくいミトンタイプを選ぶ人が多いようです。
ただしこれも個人の好みで、スキーヤーなのにミトン、スノーボーダーなのに5本指タイプを使っている人もおり、自由に選べばいいのではないかと思います。
僕はスキーヤーなので、これまでは基本的に5本指タイプでしたが、ストックを使わないファンスキーを楽しむことも多いのでミトンタイプが気になります。
一つだけ選ぶとしたらダカインの「DK スノーグローブ」。これ、かっこいいですよね。
もう、ゲレンデが恋しくなってきました。
さっそく今週末にでも、山を目指すことにします。
皆様もスキーシーズンを存分にエンジョイしてください!